~大野川流域に磨崖仏を訪ねて~ 平成30年7月1日(日曜日)
今回の体験ツアーは5月に「大分学研究会」例会で基調発表の磨崖仏シリーズ第1弾でした。その基調発表者の山路康弘さんが同行講師で見所などを分かりやすく解説をしてくださいました。
全国の磨崖仏の約7~8割が大分県にあると言われているなかで、豊後大野市がもっとも多く残っているそうです。今回のツアーも内容盛り沢山。バスの補助席まで満席!!
梅雨時期でお天気が気になっていたのですが・・・・・。
皆様の日頃の行いが良かったのか、仏様に会いに行くからなのか、雨が降ったり!やんだり!お日様が出たり!!空模様も忙しく変わっていましたが、見学時には雨もほとんど降ることなく楽しんできました。
♦ 犬飼石仏 国指定史跡
場所:豊後大野市犬飼町渡無瀬
・阿蘇ー4溶結凝灰岩の断崖に彫られた磨崖仏
覆屋内には不動明王座像と二童子立像の三尊が浮き彫りされていました。ここの不動明王は束ねた索を左手でぐっと握り大きな両足の裏を見せて座っていました。また、上半身の彫が深いのに胡坐をかいた足は彫が浅く不思議でした。足の裏を見せているのは大変珍しいとのことでした。
台座にはハスの花が丁寧に彫られていていました。
覆屋の右側壁面には「南無大師遍照金剛」と大きく薬研彫りされています。
屋根の上に「龍傳山」と彫られているそうですが、残念ながら「龍」が読めるだけでした。
♦ 菅尾石仏 国指定重要文化財 菅尾磨崖仏・史跡 菅尾石仏
場所:豊後大野市三重町浅瀬(宇対瀬)
・阿蘇ー4溶結凝灰岩の壁面に彫られた磨崖仏
磨崖仏に向かう階段に大権現と書かれている鳥居をくぐりのぼって行くとりっぱな覆屋の中に赤く塗彩された5体の仏像が綺麗な覆屋の中に座っているのが見えました。
仏像は細部まで丁寧に彫られている(特に千手観音)のに毘沙門天だけが完成していないように見ます。この地域に残る話には、鬼が村の人々と一夜で磨崖仏を彫る約束をし、最後の毘沙門天を彫っていたとき一番鶏が鳴いたため完成まじかにも関わらず途中で逃げ帰ったとされています。
♦ 沈堕の滝 国登録記念物
場所:豊後大野市大野町矢田・小倉木~清川町臼尾
・阿蘇ー4溶結凝灰岩の壁にできた滝(雌滝と雄滝がある)
雪舟が「鎮田瀑図」文明4年(1476)に描いた原図は関東大震災で焼失したのですが、模写が豊後大野市にあるそうです。
明治42年(1909)に滝の上に堰をつくり水力発電がはじまり、大正12年(1923)に新しい発電所ができたそうです。当時使っていた発電機が残っていました。
発電所跡が僅かに残っていました。植物に絡まれた建物の一部が山間で川を見下ろし立っている素敵なところでした。
・・・・・・ おっかなびっくり!の楽しみも! ・・・・・・
♦ 昼食 道の駅
バスツアーの楽しみの一つ!地元の美味しいもの!! 今回の昼食は道の駅で「滝の花かご」でした。団子汁にとり天、とりのタタキ、山菜などなど。皆さんとおしゃべりしながらいただきました。
とても美味しかったです♪~
♦ 原尻の滝 市指定 名 勝
場所:豊後大野市緒方町原尻
大分県内の最大河川である大野川にある三大瀑布の一つ。(・蝙蝠の滝 ・沈堕の滝 ・原尻の滝)
滝の上には緒方三社川越し祭りの時に神輿が通る鳥居がありました。
♦ 豊後大野市歴史民俗資料館
場所:豊後大野市緒方町下自在172
職員の高野さんに案内をしていただきました。とても分かり易く楽しいお話でした。ありがとうございました。
珍しい鉱物のコレクションも展示してありました。
♦ 宮迫東石仏 国史跡
場所:豊後大野市緒方町久土知
・阿蘇ー4溶結凝灰岩の岩壁に彫られた磨崖仏
また階段です。覆屋の中の仏様は赤や黄色で塗彩されていました。中尊は壁面にもたれかかっているように座っていて薬師如来ともいわれていたそうですが、左手の掌にあるはずの薬壺が無い事、その跡もない事から現在地元では大日如来といわれているそうです。
バスから降りた時は降っていた雨が、石仏近くに行くとやんでいました。不思議!ふしぎ~!!
大分学ならでの楽しみが、もう一つ! 特別に許可をいただきまして!! 普通の観光では絶対ありえない事です!
なんと!!日頃は入れない柵の内側まで入って間近で仏様がみられるのです。それも専門家の解説付きです!! じっくりと眺めてきました。解説がなければ、きっと気がつかなかった所が多かったと思います。同行講師の 山路康弘さんありがとうございました。
♦ 宮迫西石仏 国史跡
場所:豊後大野市緒方町久土知
・阿蘇ー4溶結凝灰岩の岩壁に彫られた磨崖仏
宮迫東石仏から少し歩いた所にまたまた階段です!!皆さん元気!山道を歩き階段を上り!でも不思議と気持ちがいいのです。
覆屋の中!ここの仏様も赤や黄色の塗彩がされた裳懸座の如来像が3体です。柵外からでは分からなかったのですが、柵内に入って左の仏様を見た時。ありましたよ!左手の掌に薬壺があった跡!左側の仏様は薬師如来だったのです。解説を聞いて、近くでみて、楽しくてワクワクしました。
ここの保存に携わった山路さんに当時、初めての試みだった保存の準備段階にテストをした場所を案内していただきました。このテストはとても有意義なことだったようでした。
★テストをおこなった場所です。
♦ 普光寺 県指定史跡
場所:豊後大野市朝地町上尾塚
・阿蘇ー3溶結凝灰岩の岩壁に彫られた磨崖仏・・・・・阿蘇ー3溶結凝灰岩の中には灰色の軽石とスコリア(軽石に似ているが沢山穴が空いている黒色の石)がたくさん混じっているので、阿蘇ー4溶結凝灰岩と区別できるそうです。
紫陽花寺とも呼ばれているところです!すこし終わりのようでしたが、谷間に咲いていた沢山の紫陽花が本当にきれいでした。
赤錆色の壁面に彫られている不動明王像には怖いくらいに圧倒されました!
山門の両端に可愛い象の阿吽にほっこりしました。
参加した皆さんと “ シティー観光 ”の吉井さんと一緒に集合写真です。
♦ 牟礼鶴酒造
場所:豊後大野市朝地町上尾塚
ツアーの最後に、牟礼鶴酒造さんの焼酎蔵見学の後、試飲をさせていただきました。大人数でしたのにキュウリの浅漬けやおつまみまで用意してくださっていました。
夏おすすめのサイダー割り、とっても香りの良い樽仕込みの焼酎など!大分にも美味しい焼酎がありました。
小さな女将さんもお手伝いして暖かいおもてなしに、アットホームな雰囲気の素敵なお店でした。
酒蔵の中での試飲。最高でした!美味しかったです。ありがとうございました。